【EcoTopics】令和4年度改正 建築物省エネ法・建築基準法のうち、再エネ設備導入時に関連する改正項目のご紹介
2022年6月に「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第69号)が公布されました。
2021年10月閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」にて地球温暖化対策等の削減目標が強化されたことを背景とし、建築分野の省エネ対策の徹底、吸収源対策としての木材利用拡大等を通じ、脱炭素社会の実現に寄与することを目標としています。
改正項目1の参考:脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について(国土交通省)
本トピックスでは、本改正法のうち、再エネ設備導入時に関連のある内容について2点ご紹介します。
改正項目1 建築物再生可能エネルギー利用促進区域【建築物省エネ法第67条】
令和4年改正により、太陽光パネル等の再エネ設備の設置の促進を図ることが必要である区域について、市町村が促進計画を作成することができるようになります。行政区域全体、または一定の街区等を設定することが可能です。ただし、住民の意見を踏まえ、気候・立地等が再エネ設備の導入に適した区域を設定することが求められます。
促進計画には以下の3つを定める必要があり、これに伴い、再生可能エネルギーを導入する効果について建築士による説明義務が発生します。
1.再エネ利用促進区域の位置、区域
2.設置を促進する再エネ設備の種類
3.再エネ設備を設ける場合の建築基準法の特例適用要件に関する事項
今回の改正で、市町村が定める再エネ利用設備の設置に関する促進計画に適合する建築物に対する高さ制限、容積率制限、建蔽率制限の特例許可制度が創設されます。
太陽光パネルの設置により高さ制限を超える場合でも、促進区域の趣旨に鑑みて、建築物本体の影を増やさないことや敷地外に影を落とさないこと等を確認した上で特定行政庁が許可します。
施行時期については、公布の日から2年以内とされています。
改正項目1の参考:【建築物省エネ法第67条の2~第67条の6】建築物再生可能エネルギー利用促進区域および関連情報(国土交通省)
改正項目2 建築物の構造上やむを得ない場合における高さ制限に係る特例許可の拡充【建築基準法第55条、第58条】
屋根の断熱改修や屋上への再エネ設備の設置を行う場合、建築物の高さが増加することにより、高さの制限に抵触し、改修が困難となる場合があります。このような場合において省エネ改修等の円滑化を図るため、屋外に面する部分の工事により高さ制限を超えることが構造上やむを得ない建築物に対する特例許可制度が創設されました。施行時期は、2023年4月に予定されています。
以上、脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律のうち、再エネ設備導入時に関わりのある内容についてご紹介いたしました。
知識経営研究所では、自治体向け再エネ・省エネ設備の導入に関する調査・検討業務を行っております。本トピックスに関する事以外にもご相談に応じます。お気軽にお問合せ下さい。
(令和5年1月 公共コンサルティング部 小西)
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