【EcoTopics】公共施設等への太陽光発電設備等の導入調査支援事業補助金
2021年6月、政府開催の「第3回 国・地方脱炭素実現会議」において「地域脱炭素ロードマップ」が決定されました。本ロードマップは、地域課題を解決し、地方創生に資する脱炭素に国全体で取り組むため、特に2030年まで集中して行う施策を中心に、地域の成長戦略ともなる地域脱炭素の行程と具体策を示しています。
本トピックスでは、ロードマップの重点対策の一つである「屋根置きなど自家消費型の太陽光発電」の内容と公共施設への太陽光発電等の導入調査に活用可能な補助事業についてご紹介します。
脱炭素ロードマップにおける「屋根置き自家消費型の太陽光発電」の導入目標
「地域脱炭素ロードマップ」の重点対策の一つとして「屋根置きなど自家消費型の太陽光発電」が挙げられており、政府、自治体の公共施設の建築物や土地では、2030年には設置可能な建築物等の約50%、2040年には100%の設備導入が目標とされています。
政府が設置を促しているのは、庁舎や学校、図書館、公民館、体育館などあらゆる公共施設です。但し、取り壊しが迫っているものや、構造上の問題で難しいものは除きます。環境省の推計では、現在の導入率は市町村施設で約10%にとどまっており、2030年に約50%とする目標達成には相当の努力が必要だと思われます。
設備導入調査の必要性と大まかな流れ
上記の目標を達成するためには、地域が有する公共施設の中から設備導入が可能な施設を洗い出し、設備導入した際の事業採算性を評価した上で優先度の高い施設を選定していく作業が必要です。
調査の大まかな流れは①~④の通りです。
① 一次スクリーニング:地域が有する全ての公共施設から可能性のある施設を絞り込む作業を行います。具体的には、構造、屋根面積、耐震状況、築年数、用途等を調査し振るいに掛け候補施設を抽出します。
② 太陽電池の設置容量を決定:設計図面や施設の現況、需要電力とのバランスを考慮しながら太陽電池の設置容量を決定します。
③ 事業採算性の検証・評価:設備導入した際の事業採算性を検証し施設毎に評価します。
④ 設備導入に向けた調整:総合的に優先度の高い施設から設備導入に向けた調整を図っていく。
公共施設等への太陽光発電設備等の導入調査支援(補助事業)
公共施設等への太陽光発電設備等の事前調査支援の補助事業が、環境省より2022年度に開始されます。(既に2021年度補正予算の公募が3月16日開始)。
「地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業のうち、(1)地域再エネ導入を計画的・段階的に進める戦略策定支援」の第3号事業です(下図赤枠)。
補助事業の要件
事業の要件については以下の図のとおりです。
出典)令和4年3月公募説明資料 一般社団法人地域循環共生社会連携協会
事業期間・補助率
- 実施期間は、原則単年度事業となり、交付決定日から2023年2月28日までとなります。
- 補助率は3/4となり、補助額に上限額は設定されていませんが目安として最大2,000万程度を見込んでいます。
- 事業期間は、2022年度から2023年度までの2年間の事業となります。
留意事項
- 対象となる再エネは太陽光発電設備を主としつつ、太陽光発電設備以外の再エネ導入可能性調査を妨げるものではありません。
- 本事業では、公共施設や公共が管理する土地における太陽光発電設備等の導入調査を支援対象としており、民間施設や民間の土地は対象外となります。
スケジュール
公募開始されている2021年補正予算の事業全体スケジュールは以下のとおりです(令和4年度については未定です)。
① 公募期間 3月16日~4月18日
② 交付決定 6月下旬頃
③ 事業完了 2月28日まで
④ 実績報告 事業完了日から30日以内又は3月10日のいずれか早い日
⑤ 補助金の支払い 3月下旬まで
(令和4年4月 公共コンサルティング部 小西)
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