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コラム

【Youtube】労働安全 ⑦│ ○○○を改善すれば生産性は上がる‼

目次

※本コラムは、上記動画「【労働安全】労働災害ゼロ化のための安全意識を高める ~その7~」を要約した内容になっています。

皆さん、こんにちは。
株式会社知識経営研究所(旧社名・現:ナレッジリーン)の坂田と申します。

労働安全衛生に関するシリーズ動画を継続して制作しております。
前回は、メタ認知を高めるためのトレーニング方法について計画・実施の方法をお話ししました。

今回はその続きとして、さらに詳しくお話しさせていただきたいと思います。
最後までご視聴いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

メタ認知を育てるポイント(前回の続き)

まず、前回の動画でお話ししたメタ認知トレーニングのポイントをおさらいします。
メタ認知を高めるためには、まず、現場の管理職やリーダーがその重要性を理解し、実践的なノウハウを身につけることが不可欠です。

リーダーや管理職がメタ認知のノウハウを身につけ、そのノウハウを自分たちの職場のメンバーに広げていきましょう。
勉強したことを、自分で喋って他の人に伝えることで、その本人の勉強にもなります。

こういった雰囲気作りが、すごく大切だと思います。
結果として、職場全体の安全意識が向上します。

一番いい方法は、外部のコンサルタントを呼び、一度で全員に講習を行うことですが、これはコストがかかってしまいます。
最も効果的なのは、リーダーたちが自分自身で学び、実際の現場でその知識を応用することです。

リーダーたちが自ら学ぶことで説明力が向上し、行動にも変化が現れます。
これが、安全文化や風土に良い影響を与えます。

どんなにルールを作っても、どんなに安全設備を導入したとしても、それは単なる物質タスク重視の文化でしかありません。

本当の安全文化や風土は、人の行動で決まります。
つまり、文化・風土というものは、行動しなければ生まれてきませんし、逆に行動することで成長もして変えることができます。
せっかくこのような学んだことを、実行に移すことが重要です。

文化というものは、行動で決まります。

現場指導はこうやって進める!

次に、具体的な現場の事例を紹介します。
現場パトロールや労働安全衛生パトロールを行う際には、以下のような視点で現場を観察してほしいものです。

実際に私が現場パトロールした話をさせてください。
とある現場で、薬品タンクの近くにゴーグルがかけてあるにもかかわらず、装着せず目を負傷してしまうという事故が年に2,3回発生していました。

ゴーグルの装着率がいつまでたっても高くならないことに悩みを抱えていた現場でした。
私も一緒に現場に入らせていただき、現場を見たときに、明らかにメタ認知ができていない状況だということが分かりました。
装着率が低い原因は、薬品とゴーグルの距離が離れすぎていることにありました。

薬品を使うときには、ゴーグル着用する、というメタ認知的知識をダウンロードしなければなりません。
ここでは、薬品を見る、ゴーグルを見る、メタ認知をダウンロードするという3つのプロセスが発生しています。

しかし、ここが人間の面白いところで、工数が増えれば増えるほど、人は手を抜いてしまいます。
脳は膨大なエネルギーを使うため、少しでも楽しようとすることが、人間の本能に備わっています。
ついつい、薬品だけ持って別の場所に移動してしまいます。
これは、メタ認知が働いていない証拠です。坂田画伯の絵(実際の現場で使われたメモ)

そこで、床に置いてあった薬品タンクを高い位置に移動し、ゴーグルとの距離を縮めていただきました。
距離が縮まることで、一回の視野で薬品とゴーグルを見ることができ、メタ認知を促すことができました。
これによって、ゴーグルの装着率100%を維持することができています。

現場パトロール時には、意識の分散を防ぐために、観察点を絞り、意識を集中させることが重要です。
つまり、意識を広い範囲に分散させないように、なるべく一回の意識で把握できるような物の置き方を考えることで、メタ認知に使うエネルギーを確保できます。

現場のリーダーや管理職が、このような改善方法を理解し、指導できることが求められます。
そして、「なぜ」やらなければならないのか、ということをちゃんと説明できる人材は、これからの人間重視型マネジメントを進める上で、すごく大事な考え方です。

ただただ、パトロールをして改善を促すのではなく、ぜひこのような「なぜ」を意識した、ストーリー調で伝えていただければ良いかなと思います。

メタ認知を高めて予防改善

メタ認知トレーニングを導入した職場では、災害原因の分析や改善が積極的に行われるようになります。
メタ認知トレーニング前の現場の一例を挙げると、キャスター付きのコンテナを運ぶ際に、足を滑らせ転倒したという問題が発生しました。
この時、原因を本人の不注意とし、対策として朝礼で注意喚起を行い、教育記録を作成し、保管をしました。
とりあえず管理者は、「もう大丈夫なんだな」と言ってハンコを押しました。

ところが、また3か月後に同じ事故が発生してしまいました。

この時、メタ認知のトレーニング(問題解決・問題の原理原則・問題定義など)をしっかりと勉強して、メタ認知が働くようになっているチームでは、次のことが始まります。

まず、コンテナを運搬する様子を映像で撮ってみます。
ここで人間中心になっているので、人を一番注視します。
この時の姿勢や、手の位置、高さ、視野などを意識して観察しています。
ここで、運ぶ姿勢が悪く、前も見れないような状態に気付き、運び「にくい」ことを発見します。

では、なぜ運びにくい状況になるか、ということを考え、取っ手の位置が低いという結論にたどり着き、改善に着手しました。

この現場では、取っ手の位置を変えるだけで、同じ事故が2度と発生しなくなっています。

おまけに、コンテナの押しにくさが解消され、運搬スピードが2倍にもなりました。
いわゆる、業務効率化の向上にもつながったんですね。

メタ認知を高めるトレーニングを積極的に取り入れることで、安全な職場環境を築くことができます。
物質タスク型のマネジメントもすごく重要ですが、多くの企業は人間重視のマネジメントが疎かになりがちです。
この二つのバランスを取り、労働安全衛生を向上させましょう。

本当の意味での安全とは、
一人一人が職場で、すべてにおいて安心できることです。

安心できる環境を、みんなで協力して作っていければと思います。



7回にわたるシリーズ動画「安全意識を高める」の最終回となりました。
最後までご視聴いただき、本当にありがとうございました。

またどこかで、お会いできることを楽しみにしております。


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