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オンライン会議は「顔出し」がおすすめ│心理的安全性を高める方法

目次

オンライン会議、あなたのカメラはON?OFF?

今回は、オンライン会議での”顔出し”についておはなしします。
対話への安心感が芽生え、心理的安全性がより高まりますよ。

ある会社での出来事です。
社長や幹部のオンライン会議に参加させて頂いたのですが、その会議の前に社長さんが

「○○さんの、顔が小さいなぁ~」
「○○さんは、顔が暗く映ってるよぉ~」
「○○さんは、頭頂部しか映ってないけど?」

分割された参加者の「それぞれの顔の映り方」について、細かく声がけをしていました。

社長さん曰く、「相手に対する礼儀もあるし、オンライン会議に対する姿勢が顔の写し方で解るんです。だから、私は、オンライン会議前に”顔の映り方”について、気配りするよう皆に伝えるんです。」と話されていました。

この時、私は、「コミュニケーションについて学ばれている社長なんだろうなぁ~」と思いました。

ところが、オンライン会議が終わった時、メンバーは、口を揃えて「ウチの社長、細かいでしょう?ほんと、”顔の映り方”で何が変わるんでしょうね。会議内容は、シッカリ把握しているのに・・・・。」
この時私は、「あっ、これって、社長の真意が伝わっていない。社長、ちゃんと伝えなきゃ~」と感じたのでした。

WEB会議では、お顔を出した方がいい!と思います。

私達がコミュニケーションを成立させる場合、2つの側面を配慮すると良いことが解っています。

それは、言語と非言語です。
言語とは、会議の中で交わされる「ことば」です。
言葉は、特定の音や記号の組み合わせで、意味を作り上げるものです。

そして言葉には、トーンやリズムが含まれていたり、コンテクスト(context:文脈)によって作り上げる意味が変わってきます。
例えば、メチャクチャ明るいトーンやリズムで「は、ハラ(お腹)痛い」と言ったとき。

これは、おかしくてお腹を抱えて、痛くなるくらい笑っているのでしょう。
逆に、顔色が冴えず、冷や汗をかきながら、苦痛の表情で「は、ハラ(お腹)痛い」と言った時には、痛みに苦しんでいることが伝わってきます。

このように言葉は、音だけでなくコンテクストや相手の表情なども含め、取り交わされるのです。つまり、音と音以外の様々な情報がかみ合って、言葉の意味は形成されます。

この音のことを、バーバル(言語)と言います。
そして、バーバル以外の情報をノンバーバル(非言語)と言います。

オンライン会議など、顔を映さないまま進めていると、ノンバーバルが欠落し、情報交換の質が低下してしまいます。
これは、潜在的に不安感へとつながり、活発な対話や発案に影響してしまいます。

また、顔を映すことで、脳は実在感を感じ取ります。
実在感があると、人の認知機能に良い影響が及びます。
実在感は、客観的に現実を正しく把握したり、理解する能力を高めることができます。

逆に、実在感がないと、想像や妄想でものごとを捉えるようになるため、取り交わされる対話に対して、信頼感が下がってしまいます。

この信頼感の低下も、心理的安全性を弱化させる原因になります。

また、私達の脳は「視覚・聴覚・情動覚」の3つが同時に刺激されると、集中力が高まります。ところが、音声だけで対話をしていると、聴覚しか刺激を受けないため、集中力が高まりません。

これらの理由からも、オンライン会議での”顔出し”は、会議自体の質に影響することが解っています。きっと、この社長は、これらについて感覚的に解ってはいるけど、具体的に説明出来ないがために、部下達に不信感を与えているのだろうな~と思いました。

もちろん、会議後に「顔出しの大切さ」について、みなさんにお話したところ、全員が、シッカリ・ハッキリした”顔出し”をするようになったそうです。

様々な価値観を尊重して配慮を

ただ、”顔出し”にも配慮しなければならないことがあります。
”顔出し”に否定的な人の意見を聴いてみると、次の様な答えが多く帰ってきます。

「あまり、知られたくないんですよね。自分のことを。」(秘匿性欲求)
「プライバシーが損ねられる気がして。」(プライバシー保護欲求)
「忙しいなか会議に参加しなきゃならないので。」(仕事への価値観欲求)
「顔を見なくても、充分内容を理解しているので。」(誇示欲求)

これらの欲求を満たすことで、エンゲージメントを感じる人もいるのです。
オンライン会議の”顔出し”には、様々な価値観があるのです。

あなたのチームでも、どのような雰囲気で会議を進めたいかについて、簡単な議論をしながら「顔出し有り!無し!」を決められてはいかがでしょうか?

私は、どちらかというと、顔出し派です。
オンライン会議をファシリテートするために、どのようにすべきか?
話し合ってみませんか?


メンタルヘルス・ストレスマネジメント|ナレッジリーン

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マネジメントコンサルティング部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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