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「なぜ?」の使い方にご用心│問題解決を円滑に進めるためには

目次

「なぜ?」にもいろいろ

「なぜ?」を使って原因分析を進めるには、日頃から信頼関係を深めよう。

問題解決の時に使う「なぜ?」という言葉は、相手の思考を入れるスイッチにもなるし、相手を疑ったり否定する言葉にもなるので、人のモチベーションを「上げることも」「下げることも」できます。

できれば、部下や後輩のモチベーションを上げる側の「なぜ?」を使いこなしたいものですね。
とはいいつつも、つい使いたくなるのが「なぜ?」です。
相手のモチベーションを下げないようにするには、どのようにすればよいのでしょうか?

今回は、問題解決を円滑に進めるための、雰囲気作りについておはなしします。
心理的安全性を高め、問題解決にも強い職場に成長します。

会社の雰囲気や職場の雰囲気は、千差万別です。
例えば「なぜ?」と言葉を使うと、職場の雰囲気がだんだん悪くなり、だれも発言しなくなるケース。
その逆に、「なぜ?」という言葉を使っても、ひとり一人が活発に言葉を発して、情報交換が続くケース。
問題解決をするときには、明らかに後者が有効な雰囲気で、できれば、この雰囲気で問題解決に挑みたいものです。

「心理的安全性」とは

この2つのケースを観察すると、明らかに、心理的安全性が関わることが解ります。
心理的安全性とは、「リスクを負ってでも、発言が出来る雰囲気」という意味があります。

「これを言ったら、全部、私の所に仕事が回ってくるんだろうなぁ~。」
「これを言ったら、きっと課長の機嫌が悪くなるんだろうなぁ~。」
「これを言ったら、みんなに嫌われるだろうなぁ~。」

このような言葉が、頭の中にまるで”電光掲示板の文字”の様に流れる状態だと、その職場は「心理的安全性」が確保されていません。

自分にとって不利になること(リスク)が予測されながらも、あえて言葉を発することができる雰囲気。
これが、「心理的安全性」です。
「なぜ?」という言葉を使っても、対話が活発に行われるチームも「心理的安全性」が高いといえるでしょう。

この2つのチームを比べてみると、どうやら日頃からの「人と人との関係性」が絡んでいるようです。日頃から、リーダーがチーム内で「ラポール形成」を維持し続けているチームは、「なぜ?」という言葉に「ネガティヴに反応」が起きず、前向きな問題解決に取り組みやすい様です。

逆に、「ラポール形成」が形成されていないチームでは、問題解決もズタズタです。

協力的な関係を築く

ラポールとは、相手との信頼を確立し、協力的な関係を築くことを指します。
この信頼関係があると、ちょっとトゲのある「なぜ?」という言葉でも、ネガティヴに受け入れられることが少なくなり、良い雰囲気を維持しながら問題解決に挑むことができるのです。
ラポール形成には、日頃から次の様なコミュニケーションを続けることで、形成されます。

・傾聴
・言語と非言語を合わせたコミュニケーション
・雑談をしながら相手との共通点をみつける
・相手を褒める
・その他

「なぜ?」を使って原因分析を進めるのなら、日頃から信頼関係を深めよう。
心理的安全性を高め、問題解決にも強い職場に成長します。

問題解決を円滑に進めるためにも、日頃から「ラポール」を形成しませんか?


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「課題・問題解決」のコラム一覧です。私は、コンサルタントになってから問題解決や改善がスムーズに進む組織と進まない組織に分かれることはすぐに気付いたのですが、何が違うのかについて気付くまでに時間がかかりました。

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マネジメントコンサルティング部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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