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「なぜなぜ分析」 と「心理的安全性」の関係│思考を促す上手な「なぜ?」の使い方

目次

「なぜなぜ分析」は、「心理的安全性」 の確保からはじめる

今回は、相手の思考を促す上手い「なぜ?」の使い方のおはなしです。
なぜなぜ分析がスムーズに進むようになりますよ。
私たちの脳は、2つのモノゴトの違いに気付いたとき「なぜ?」という感覚を抱きます。
そして、この「なぜ?」という感覚を抱くことで、2つの違いの理由を考えるプロセスが始まるのです。

ですから、「なぜ?」という感覚をうまく使えば、脳内に思考を張り巡らせることができます。
例えば、部下や後輩に「なぜ?作業が遅れているの?」という問いを投げかければ、それをきっかけに「理由」について、思考をはじめるようになります。
そう、「なぜ?」は、あなた自身や周囲にも「考えはじめるきっかけ」を与えることができるのです。

「なぜ?」の質問には細心の注意が必要

しかしながら、「なぜ?」という質問を言葉にして相手に伝えると、攻撃的な言葉になってしまうこともしばしば。
なぜか、「怒られている」「責められている」という感覚に陥ってしまうことも事実です。

多くの職場で用いられている「なぜなぜ分析」は、不具合が起きたとき、その原因を追及するための思考方法として有名です。
この「なぜ?」という言葉は、「思考のきっかけ」や「考えはじめ」のキーワードなのです。

ですから、あなた自身も自分に対して「なぜ?」と問いかけることで、思考プロセスが働き、いろいろなことを考えはじめることができますし、部下や後輩に「何か考えて欲しい!」ときにも「なぜ?」という言葉が有効になることでしょう。

また、「なぜ?」には、このような側面があります。
それは

・真因追及のための「なぜ?」と
・相手を疑うための「なぜ?」

です。

様々なビジネスシーンでは、多くの課題解決に向けた行動がとられます。
そして、この行動をする上で大切なことは「真因を追及すること」です。
真の原因が判明していれば、それを取り除くことで、問題の再発を防ぐことができたり、課題を解決することができます。この時、「なぜ?なぜ?なぜ?」を繰り返す思考を進めることができれば、不具合現象の真因を見つけ出すことができ、対策や改善案も豊富に出てくることでしょう。

ところが「なぜ?」には、さらにもう1つの側面もあります。
これは、相手を疑ったり、能力を否定したりする断定的な伝え方で、相手の気持ちを萎縮させ、「心理的安全性」も低くします。

これでは、なぜなぜ分析を実施しても、対策や改善案が豊富に出てくることはないでしょう。
このような理由から、「なぜ?」という言葉を使うときには、細心の注意を払う必要があるのです。

では、どのように使い分けをすれば良いのでしょうか?

簡単な方法として、時限的「なぜなぜルール」がおすすめです。
例えば、なぜなぜ分析を開始する前に

「これから、なぜなぜ分析 をはじめます。なぜ?という質問が沢山でてきますが、これはあなたを責めたり、追い詰めたりする目的で使うので無く、問題解決に向けた質問です。
気付いたことや思ったことは、どんどん言ってみて下さいね。」というように、 心理的安全性 が確保されていることを事前に伝えると良いでしょう。

真因追及のための「なぜ?」
相手を疑うための「なぜ?」

なぜなぜ分析は、「心理的安全性」の確保からはじめる。
なぜなぜ分析がスムーズに進むようになります。

なぜなぜ分析の前に、「心理的安全性」を確保してみませんか?


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ナレッジリーンは国や地方自治体を顧客として環境分野の調査業務や計画策定、企業の非財務分野に対するマネジメントコンサルティングや人材育成を主業務とするシンクタンク&コンサルティングファームです。

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マネジメントコンサルティング部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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