問題解決が 『うまい組織』│フレームワークを原理原則で理解
問題再発ループを脱するために
なぜなぜ分析を展開し、その原因追及と改善案を導き出すけど、いつも同じような改善案しか出てこない・・・・・
先日開催した、なぜなぜ分析セミナーで出てきた会場からの声です。
同じような改善案しか導き出せないと言うことは、すでにその改善策は実施されていて、効果が無かったということ。
だから、問題が再発するのです。
このような状況になると、問題解決→対策→問題再発のループに陥り、職場のモチベーションも低下するばかりです。
見えない、そして、感覚で捉えることのできない原因に気付き、全く新しい対策を導き出すよう問題解決を進める必要があります。
今回は、問題再発ループを脱するためのおはなしです。
なぜ?そのフレームワークは、その方法が確立されているのか?
問題解決フレームワークの理解が勝敗を決めます。
問題解決フレームワークを使いこなしていますか?
私は、長年組織の問題解決支援に携っていますが、その経験から”なんとなく”ですが、 問題解決が 『うまい組織』と『へたな組織』の違いを感じられるようになりました。
『うまい』組織は、1つの問題や課題を解決し次の問題に取りかかることで、どんどん問題が少なくなっていきます。
しかし『へたな』組織は、1つの問題や課題を解決したと思っていても、また再発し、いつまでたっても次の問題や課題に取り組むことができず、どんどん問題が増えてゆくのです。『うまい組織』と『へたな組織』の違いは、問題解決の取り組み方が明らかに違います。
- 『うまい組織』は、問題が小さなうちから潜在的問題として取扱い、解決に力を注ぎます。
『へたな組織』は、問題が大きくなりクレームや不具合が発生した時のみ解決に力を注ぎます。 - 『うまい組織』は、問題をよく観察しその要因の洗い出しに力を注ぎ、新しい気付きを得るような”対話”をすすめ、原因を追及します。
『へたな組織』は、過去の経験と知識をつかって問題解決に挑み、新しい気付きを得るような”対話”を行いません。 - 『うまい組織』は、なぜなぜ分析などの、問題解決フレームワークを使いこなしています。すなわち、そのフレームワークの構造や原理原則を理解し、フレキシブルに使いこなすのが『うまい組織』です。
逆に『へたな組織』は、参考書やテキストに書かれている内容をトレースするように問題解決を進めます。すなわち、そのフレームワークの構造や原理原則を理解するというより「参考書通りにやっている」状態です。
なぜなぜ分析のルールを理解し問題解決に挑む
特に大切なのが、2の『新たな気付きを得るような”対話”をしている』です。
例えば、問題解決を行っても再発が起きるようであれば、それは、原因の要因となる事象や現象を見逃していること。
「このままでは、前回と同じような対策になりそうだな。なにか、新しい要因を見逃していないかな?」といった、メンタルモデルが必要なのと、その気付きを促すファシリテーションがポイントです。
また、メンタルモデルとファシリテーションのレベルを高めるには、その問題解決フレームワークの使い方(HOW TO)とともに、なぜ?このような使い方をしなければならないのか(WHY)のレベルまで理解が必要です。
例えば、問題解決フレームワークとしてポピュラーな『なぜなぜ分析』でも、「原因が見つかるまでなぜ?を繰り返せ!」といった使い方より、「なぜ?なぜなぜ分析を繰り返すと問題解決に到達できるのか?」といったレベルの理解が必要なのです。
実際、なぜなぜ分析にはいくつかのルールがあり、このルールを理解した上で問題解決に挑む必要があります。
このルールを無視した問題解決は、必ず失敗します。
問題検出力を磨き、小さな問題に気付く力を育てる。
問題定義力で、過去の経験と知識で問題解決を進めないようにする。
問題解決フレームワークを原理原則で理解する。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。