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「 業務改善の3つの壁」に挑むリーダー│組織に改善文化を醸成する方法

目次

あなたの会社では 業務改善 は行われているでしょうか?

業務改善 はやっているけど、どうしたらよいのかわからず行き詰まりを感じていることはないでしょうか?
私たちは仕事におけるムダ(ムリ・ムダ・ムラ)を廃除をするために、業務改善のやり方や考え方、進め方の研修を行っています。

実は普段の仕事をたんたんとこなしているだけでは、仕事のムダをなかなか見つけることができないのです。
業務改善で重要なことは、考え方や切り口を変え、アイデアをひねり出していくことです。
そのためには、ムダに気付く能力や問題を検出する力を高め、現状を分析する力も必要となってきます。

仕事のムダが廃除された結果、安全作業の確保や品質向上にもつながり、コストダウンも可能となります。
逆に部下や後輩に能力以上の過剰な改善要求をすると、業務改善に対するモチベーションが下降し、部下や後輩から「うざい」「うるさい」と思われるようになります。
最悪の結果、上司と部下の信頼や人間関係に亀裂を生じることさえあります。

今回は「業務改善を行う際の壁」について書きたいと思います。改善を円滑に進めるための「ワザ」が見つかるかも知れません。

業務改善はムダに気付く力を養うこと

業務改善を行うプロセスは、現状分析から始まり、動作や歩行におけるムダやロスを探し出します。
なかには「面倒くさい仕事を楽に!」というスローガンをもとに改善活動を進める組織もあるようです。

業務改善において必要な能力は「ムダに気付く力」であり、これを身につけておかなければ円滑に進める事ができません。
「ムダに気付く力」とは、あなたの仕事の流れの中において、あなたの動作や思考のくせを理解することです。

【例】手で書類をとり、その書類を見て、納品日を確認する。

単純な作業のように思えますが、実はこの作業の中に様々なムダ・ロスが隠れているのです。

動作ロス・・・書類を手を伸ばさないと取れない(取りにくい)
検索ロス・・・納品日の記入欄がどこにあるか探すのに時間がかかる(探しにくい)
確認ロス・・・納品日を確認する(確認する行為そのものがロス)
判断ロス・・・手元の資料との照合する際に判断を誤る

これらのロスに「気付く」ことができるかが「気づく力」です。
そして、どのようにしたらロスを現状の10%に減らせるだろうかと考える力が「改善思考力」です。

実は作業されいるかたの多くは、日々の作業に隠れているムリ・ムダ・ムラに気付いていないことの方が多いのです。それはその作業を「当たり前」という感覚で行ってしまっているからです。

「ロスとは何か?」「ムダとは何か?」

リーダーや上長であるあなたは部下や後輩と日頃から事例を見せながら話しをして、どんなロスやムダが作業に隠れているかを明確にし、それを改善するとどのような成果が得られるかというところまで明確にしておく必要があります。

業務改善における3つの壁

業務改善の壁、業務改善を展開している企業や組織でお話を聞くと、経験則から業務改善は下記の3つに別けられると考えています。

「スムーズに進む業務改善テーマ」
「試行錯誤を繰り返し進める改善テーマ」
「手を付けない改善テーマ」

そしてさらに深くお話を聞くと、改善に挑む場合のパターンが見えてきました。

20年も改善支援をしていると、人の「改善に対する心の動き」が読めてきて、その中に様々な壁が潜んでいることがわかりました。

壁の種類は3つ。それぞれ第一の壁、第二の壁、第三の壁と名付けています。

第一の壁:
業務改善テーマとなりうる「ネタ」に気付いてもそもそも「ムリ」と判断してしまい、業務改善の行動を起こそうとしない。

第二の壁:
業務改善テーマの難易度を自分で評価して、自分には「難しい」と結論を出してしまい、業務改善の行動を止めてしまう。

第三の壁:
業務改善に関して確率論で考え、上手くいく確率が高いものしか行わず、上手くいくかどうかわからない或いは確率が低いものには挑戦しようとせず、次の業務改善テーマへ移行しようとしない。

第一の壁

第一の壁:業務改善テーマとなりうる「ネタ」に気付いてもそもそも「ムリ」と判断してしまい、業務改善の行動を起こそうとしない。
第一の壁では、改善テーマを大きく捉えすぎているケースが多くあります。
改善テーマが本人の改善能力をはるかに超えたレベルの改善であり、当事者意識さえも芽生えない精神状態です。

この時、リーダーであるあなたは、1つの業務改善テーマを詳細に「分割」するよう話を進める必要があります。
例えば、受注プロセス全体の改善を行う場合であれば、受注プロセスを見積発行と内容確認に分割して、見積発行の改善と内容確認の改善というようそれぞれの改善を行うようにします。

業務改善テーマがなかなか進まないようしたら、業務改善テーマが大きすぎることも考えられますので、分割して意識させると第一の壁を乗り越える確率が高くなります。

第二の壁

第二の壁:業務改善テーマの難易度を自分で評価して、自分には「難しい」と結論を出してしまい、業務改善の行動を止めてしまう。

第二の壁では、業務改善テーマの難易度を理由に心の中に壁を作り上げてしまっている状態です。
この時、リーダーであるあなたは、難しい内容をさらに分解しながら話しをして、本人が「これならいけそうかな~」と思われるよう指導します。

難しいコトも、要素毎に別けて話すと解りやすくなりますが、リーダーの説明力が試される時ですね。

第三の壁

第三の壁:業務改善に関して確率論で考え、上手くいく確率が高いものしか行わず、上手くいくかどうかわからない或いは確率が低いものには挑戦しようとせず、次の業務改善テーマへ移行しようとしない。

第三の壁は「あきらめたらあきらめっぱなし。」の状態です。
この状態を放置してしまうと、改善モチベーションが低下してしまい、再度もちあげるのに一苦労します。
この時、リーダーであるあなたは、次の業務改善テーマを伝え、途切れないようにする必要があります。

特に多いのは第三の壁です。

改善の研修を受けてムダにも気付くようになり、業務改善モチベーションが高まったのに、三ヶ月もするとモチベーションが下がってしまっている状態です。

本当に組織に改善文化を醸成しようとするのであれば、改善知識やテクニックを得ることだけに止まらず、リーダーが改善の壁を乗り越えるためのコミュニケーションを取ることが重要となってきます。

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マネジメントコンサルティング部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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