解決阻害の要因となる、問題の捉え方│視点・視野を広げるコーチング
問題解決を阻む原因は、あなた自身の捉え方?
問題解決のお手伝いをしていると、次のような悩みをお持ちのリーダーが多いようです。問題解決を阻む原因は、いろいろありますね。
いつも同じ結果しか出てこない。
いつも同じ改善アイデアしか出てこない。
社内で問題解決訓練を実施しているのに、活かせていない。
解決したと思っていたら、同じ問題が再発した。
まるで永久ループにハマっているようですね。なんとかしたいものですね。
問題の捉え方に関する問題
前述のようなことが続くチームでは、『問題の捉え方』に改善のメスを入れる必要があります。
私たちの脳は、過去の経験や知識によって問題の捉え方に偏りが生じやすく、この偏りが悪さをして問題解決を阻害します。
社内で「問題解決訓練」を行っても、問題に対する人の視点を変えなければ、問題解決はスムーズに進みません。
問題解決を阻む原因
問題の捉え方:例①
問題が発生した時、問題解決を目指して即座に行動を起こす人と、周囲の様子を見ながら行動を起こす人がいます。前者を『主体行動型』と呼び、後者を『反映分析型』と呼びます。
2つのタイプは、同じ問題に遭遇しても、脳内の認知方法に違いが発生し、問題解決の方法や行動内容に違いが表れてきます。
『主体行動型』は、問題解決に向けて行動を起こし、『反映分析型』は、周囲の様子を伺ったりと、一歩立ち止まって考える行動を起こします。
問題の捉え方:例②
何か問題が発生した時、ゴールを達成したがる人と、問題解決に対して『問題が発生しないように』慎重に行動する人がいます。前者を『目的思考型』、後者を『問題回避型』といいます。
2つのタイプとも、同じ問題に遭遇しても認知方法の違いから、問題解決の方法や行動内容に違いが現れます。
『目的志向型』は、問題解決した時のことを考え、『問題回避型』は、問題解決に至るまでの「問題解決の問題」を掘り起こすような行動を起こします。
行動は組み合わさって行動様式が変わる
それぞれのタイプは、単独で人の行動パターンに現れることは少なく、複数のパターンが組み合わさって人の行動パターンが決まります。
【主体行動型ー目的志向の組み合わせ】
問題解決に向けて主体的に行動します。
問題の要因を見落としたり、論理的に考えることに集中できないタイプです。
【主体行動型ー問題回避の組み合わせ】
問題解決を進める上で発生する ”問題” を回避する行動を主体的に起こしやすく、
問題回避することに意識が向きすぎ、問題解決までに時間がかかるタイプです。
【目的志向ー反映分析の組み合わせ】
問題解決を進める上で、問題解決に向けた分析行動を起こします。
このタイプの場合、分析に特化した行動をとりやすいため、問題解決することより
分析結果を出すことがゴールになりやすいタイプです。
【反映分析ー問題回避の組み合わせ】
問題解決を進める上で、問題回避を目的とした分析に集中しやすい、
問題解決するための行動やゴール自体を見失いやすいタイプです。
言葉の科学「LABプロファイル®」 を問題解決に活用する
言葉の科学LABプロファイル®では、脳をコンピュータと見立て、数々のプログラムで動いている前提から発展した知識体系です。
そのプログラムは、メタプログラムと名付けられており、約150種類が発見されています。
それぞれのプログラムを観察し分類を行うと、14種類に分類できることが解りました。
そして、この分類が行われたことで、人の問題意識や捉え方の違いが識別できるようになり、問題解決コーチングがしやすくなりました。
視野を広げるためのコーチングをする
問題解決の宿敵は『本人の視野』そのものです。例えば
「【主体行動型ー目的志向型】タイプは、【反映分析ー問題回避型】の視野を獲得することができませんし、
【目的志向型ー反映分析】タイプには【主体行動型ー反映分析型】の視野を獲得することができません。
言い換えれば、それぞれの複合タイプには『限定された視野』が発生しているのです。
問題解決を推し進めるリーダーなら、チームがどのタイプに陥っているのかを見極めて、適切なアドバイスをしてください。
そのアドバイスが限定された視野を広げ、偏った問題解決から脱出することを促せます。
アドバイスは、下記のように質問型式で行うと良いでしょう。
【主体行動型と目的志向型】へのコーチング
もう少し、分析を進めながら細かい要因に分けてみるといいですよ。
【主体行動型ー問題回避型】へのコーチング
問題解決に伴うリスクも大切だけど、本来の目的はなんでしたか?
【目的思考型ー反映分析型】へのコーチング
分析は十分にできています。先にすすめませんか?
【反映分析型-問題回避型】へのコーチング
本来の目的はなにか再確認してみませんか?
問題が発生した場合、同じ視野・視点でモノゴトを捉えると、いままでと同じ結果しか生まれません。リーダーからのちょっとしたコーチングが、大きな視野・視点の変化を生み出し、いままでと違う結果を導けることでしょう。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。