メタ認知でヒューマンエラーを防ぐ │ 慣れがもたらす危険を見逃すな!
今日はコラムを執筆した後に、動画の撮影があるんです。
労働安全衛生に関するweb動画セミナーの企画なのですが、この企画というモノは本当に悩みます。
もっと、スッキリ・スンナリと台本がかけると良いのですが・・・・
本番まで時間が無いのに、まだ悩んでいる坂田でなのです。
今回は、動画台本をもんもんと考えながらコラムを書いているので、メタ認知についてのおはなしをします。
コラムを書きながら、台本も考えているマルチタスキング状態です。
これって、エラーの原因になるワークスタイルなんですけどね・・・・・
いっそのこと「お笑い労働安全衛生セミナー!」とか「爆笑!ヒューマンエラー対策」とかにしてみようかな!
企画、通るわけないですよね・・・・まじめにやります。
メタ認知の重要性を理解し、日常業務に取り入れることで、自身の安全意識が向上する。
具体的な取り組みを学び、実践することで、ヒューマンエラーのリスクが低減する。
組織全体で、安全意識を高める取り組みを行うことで、職場の安全文化がさらに醸成する。
メタ認知を活用し、日常業務での安全性を高め、事故やヒューマンエラーを未然に防ぐ力を養おう!
人は完璧ではない
「今日は、いつも通りに作業をしていただけなのに、なぜこんなことに……」。
工場で働く一人の若者が、機械に巻き込まれそうになった瞬間、そう呟きました。
幸い、すぐに非常停止ボタンを押すことができ、大事には至りませんでしたが、その恐怖は彼の心に深く刻まれました。
この出来事は、彼にとって何気ない日常の一瞬でしたが、その背後には大きな問題が潜んでいました。
工場では毎日同じ作業が繰り返されます。
作業メンバーたちは、そのルーチン作業に慣れ、次第に自分の動作や周囲の状況に対して無意識になっていきます。
事故が起こる前の彼も、その一人でした。
彼はその日も、いつも通りの手順で機械の操作をしていました。
しかし、その「いつも通り」が命取りになることもあります。
人間は常に完璧ではありません。
慣れがもたらす安心感が、危険を見落とす原因となります。
ここで重要なのが「メタ認知」の力です。
自分の認知や判断を意識し、必要に応じて修正することができる能力です。
この力があれば、彼は事前に危険を察知し、安全な行動をとることができたでしょう。
メタ認知とは
労働安全衛生の現場では、事故を未然に防ぐことが何よりも重要です。
これまでの多くの事故分析からわかるように、事故の多くは「見落とし」や「判断ミス」によるものが多く、メタ認知は、こうしたミスを防ぐために不可欠な能力なのです。
例えば、過去の事例を振り返ると、ある製造現場で、メンバーが重機を操作していた際、誤って同僚の側を通り抜ることがありました。
メンバーは自分の操作に集中しすぎて、周囲の状況を見落としていたのです。
このようなケースでも、メタ認知が高ければ、自分の操作や判断を客観的に見つめ直し、より安全な行動をとることができたはずなのです。
研究によると、メタ認知のトレーニングを受けた人は、事故の発生率が大幅に低下することが確認されています。
これは、メタ認知が、作業中の「当たり前」を疑い、常に最善の行動を取ることを、自ら促すからです。
そもそもメタ認知とは、自分で自分に話しかける能力です。
危ない作業を行う前に「これは、溶剤の飛散に気をつけなければいけないな。」といったように、自ら気付き、自分に注意を促す能力です。
また、メタ認知は洞察力を高め、危険やミス発生を予測する力も伸ばすことができます。
メタ認知の高め方
では、具体的にどのようにしてメタ認知を高められるのでしょうか?
それには、「簡単にできる取り組み」と、「組織全体でのシステム化が必要な取り組み」があります。
簡単にできる取り組み
ヒヤリ・ハットの共有
現場でヒヤリとした体験をチーム内で共有します。
これにより、他者の経験を通じて自分の行動を見直す機会が増え、メタ認知を日常的に高めることができます。
自己チェックリスト
作業の前後に、自分の行動や判断を振り返るチェックリストを作成し、それを実施することで、日常の作業中にメタ認知を意識する習慣をつけることができます。
組織的な教育訓練
ストーリーテリング訓練
具体的なリスクシナリオを設定し、従業員がどのようにリスクを認識、対処するかを訓練します。
この訓練により、自分を物語の中におく疑似体験を促し、自分の判断や行動を振り返ることを学ばせながら、メタ認知の力を強化できます。
メタ認知トレーニング
メタ認知に特化したトレーニングプログラムを導入し、自分の思考プロセスをより深く理解し、改善する手法を学ばせます。
このトレーニングは、核メンバーが事故を未然に防ぐ能力を大きく高めることができます。
マネジメントシステム化が必要な取り組み
安全文化の醸成
組織全体で安全文化を育むために、メタ認知を重視した安全教育プログラムを体系化し、定期的に実施します。
これにより、組織全体でメタ認知を活用した安全意識が醸成されます。
安全管理システムの導入
ISO 45001などの労働安全衛生マネジメントシステムを導入し、その中でメタ認知の重要性を強調した教育訓練を組み込むことで、全社的にメタ認知の向上が推進されます。
先ほど紹介した若いメンバーは、その後、会社の支援のもとでメタ認知を高めるトレーニングを受けました。
彼は、その経験から学び、今では自らがリーダーとなり、新人作業員にメタ認知の重要性を伝える役割を担っています。
彼が体験した恐怖は”二度と繰り返してはいけない”。
そのためには、組織全体でメタ認知を高める取り組みが不可欠です。
あなたの職場では、メタ認知を意識した取り組みが進んでいますか?
例えば、日常の業務の中で「本当にこれで安全なのか?」と自問してみることから始めるとか、たった一つの問いかけが、大きな事故を防ぐ第一歩になることに気付ける・・・という様な動画内容にしようと考えています。
メタ認知で自らの判断を見直し、事故ヒューマンエラーを未然に防ごう。
ルーチンワークも疑い、意識を高める一歩を踏み出そう。
組織全体でメタ認知を活用し、共に安全な職場を築こう。
思い込み対策やうっかりミス。
そして、予防のためのコミュニケーションについても語ろうと思っています。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。