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飽きずに学習効果を高める方法│思考学習の4つのステップ

目次

 学習効果 を高める方法とは?

飽きない! 集中できる! 研修は 脳のクセを使ったコンテンツで決まる!
学習効果 を高めるその 方法とは?

マインドマップを開発した、トニーブザン師匠から 言い渡された 課題があった。
その課題は、一枚のスライドで スクリーンに提示された。

マインドマップを使った 発想力のトレーニングのことだった。
研修生達は、A4の紙を1枚と ゼムクリップ数個を渡され、それぞれが 課題に挑んだ。

その結果は、9割を越える研修生が「紙飛行機」を折り始め、いかに遠くに飛ぶようにという 改善に取りかかった。

中には、重さ・翼面積・翼の角度などを 綿密に計算しながら「飛ばす」距離を伸ばそうと試みていた。

成果発表の時。
皆が 紙飛行機を 片手に、機体の 射出動作をしながら飛ばし、飛距離を争った。
射出直後に失速して 墜落する機体や、急上昇して失速する 機体もあれば、大きくカーブを描いて壁にぶつかる機体もあった。

そして私の番。
私の 飛翔体は、ゼムクリップを 紙で丸め込み、ボール形状の塊をつくった。
周囲からは「ルール違反だ!」や「やる気あるの?」といった声と笑い声が聞こえていたが、かまわず私は その塊を「えいっ!」と投げた。

向かい側の壁に当たって跳ね返る 導線を描いた。
もちろん 飛距離はダントツだった。

しかし、周囲の視線は「疑心感」ありありの様子。

飛距離でダントツだったものの、その雰囲気から「やったっ!」と喜んでいいものか? 悪いものか? と悩んでいるとトニー師匠が口を開いた。
「私が皆に与えた課題は、『紙をできるだけ遠くへ飛ばして欲しい』だった。よって、坂田の方法は 間違えていない。」と。

すると周囲から 次々と
「課題のスライドには紙飛行機があったから 紙飛行機じゃないどダメだと思った。」と声が上がっていた。

師匠は
「私の誘導にひっかかったね?そう、紙飛行機の絵を 皆に見せるだけで、ほとんどの人が 紙飛行機をつくるという偏った発想に走ってしまう。」

「たった、一個の絵だけで、人の思考を 固定化させてしまうことができる、ということを知って欲しかった。」とも話していた。

師匠曰く、多くの学習プログラムでは、決まったフォーマットや与えられたツールを使って進められているが、その中には学習を 阻害するようなフォームがある。 これらは、人がモノゴトを思考しながら学習するチャンスを奪っているとも。

そう「研修講師の一方的な 知識詰め込みでなく、研修生 本人達に思考させる余裕を 与えなければならない。」と教わったのだ。

飽きさせない・集中させる 研修にするには!

もし、あなたが研修講師を依頼されたり、社内講師を依頼されたのなら、その研修プログラムには「相手に考える時間を与える。」ことと「相手に考える枠を与える。」ことが大切です。

前述の通り講師の知識や考えを一方的に与える様な内容にすると『誘導学習』が始まり、受講生自ら『考える』ことを放棄してしまいます。

この状態では、『暗記学習』 に偏り始め、短時間で 忘却してしまうことも解っています。
あなたが講師をするなら『思考学習』 へ誘導できるよう、その内容を準備してください。
これが!『飽きさせない・集中させる』研修のコツです!

『思考学習』は、自ら思考を続けるのことができるので「飽きてしまう。」ことや「集中力が途切れる。」ことを最小限にできます。

学習効果 を高める 思考学習のステップ

ステップ1 緊張をほぐす

学習効果

受講生の多くは、学習や 研修と耳にすると「学生時代の良い成績を取る行動」と 勘違いをしているケースが少なくありません。
このような学習に対して多くの人は「圧迫感」を感じているようです。
「圧迫感」は、緊張を招き 集中力を削ぐ原因です。

緊張状態で研修が進むと、暗記学習へと移りやすくなるので、研修のはじめから会場の 緊張を解くことを意識しています。
だから、講師の「話し方」「表情」「内容」で受講生の 緊張を解きほぐしているのです。

ステップ2 5分間の振り返り

学生時代の学びは、数学・ 化学・ 物理・ 英語・ 文学・ 音楽など別けられた 知識を脳にインプットされます。
これは各学科のつながりを感じさせることのない一方的な 情報提供で、脳の特性からみると、とても非効率な学習を受講生に体験させることになります。
私たちの脳は、過去の経験・ 知識と 現在インプットされている情報を比較し、そのギャップを埋めるとき、思考という行動が起きます。
過去のブログにも書いた AB理論というやつです。
この特性をフルに活かして、研修生の思考を 働かせる事が大切です。

具体的には

例えば、問題解決訓練の場合、既に知っている 問題解決に関する知識を事前に洗いだす。
例えば、問題解決訓練と言われて思うことや、職場で実際に起きている 問題を事前に洗いだす。
例えば、問題解決訓練と言われて、思い出したことを事前に洗いだす。
想起した自分の知識と経験は、5分間でできるだけ多く書き出す。

書き出すときは文章で書き出すのでなく、単語やポイントとしてまとめて書き出す。
この「5分間の振り返り」をすることで、過去の経験や 知識を使って 研修を受けるという気にさせ、学習に対する 圧迫感を軽減することと、AB理論に基づく 思考の働きやすい脳へとウォーミングアップさせることができます。

ステップ3 研修テキストの拾い読み

研修に入る前に、テキストをパラパラとめくらせ、読むのではなく、どのようなことが書いてあるのかを拾い読みさせます。
これは、5分間振り返りの前でも後でもかまいません。
20ページほどのテキストなら、5分という時間で実施します。

私たちの脳は、記憶として残っていることだと、見ただけでその記憶を想起させることができる能力を持っています。
この能力を使って、パラパラ読みをさせ、1つでも多くの記憶や経験を思い出させるのです。

ステップ4 グループに分かれてアウトプット

1~3で書き出したことや思い出したことを、2~5名程度のグループに分けて、発表しあうようにします。
これは、人は 思考を 言葉にすることで、より深い思考を 巡らせることができるという 特性を活かします。
また、他の人の 知識や経験をも 自分の 知識や経験にすることができるというメリットがあり、学習意欲の向上が図られます。

思考学習準備ができると?
思考学習の3ステップが完了する頃には、どのような目的で研修を受けるかというねらいも自ら考える様になります。
ただし、一度きめたねらいは固定化せず、研修を受けながら柔軟に変化させてもかまいません。

例えば、一度決めた研修のねらいも時間がたつことで、違和感を感じるようになったら、そのギャップを埋めるよう思考させ、変更させるのです。

これもAB理論を働かせ思考を促すためのテクニックです。

記憶力・集中力・コミュニケーション

今回は、故トニーブザン師匠から教わった 学習法についてのおはなしでした。
私は、研修講師を担当するときに必ず取り入れているセオリーです。

先日もweb研修で グループディスカッションをしている メンバーのところへ 訪問し(webなので 訪問というより画面で登場という感じで)ながら、雑談に耳を傾けていたら「このリーダー研修を受け始めて11ヶ月経つけど、明らかに 記憶力と 集中力が高まって コミュニケーションにも気を配れるようになった。」と話しをしている グループがありました。

私としては「そりゃそうでしょ~。常に脳の特性を 活かしながら 研修プログラムを進めているんだからさ~」 と言いたくなりましたが、ここはぐぐっとこらえて「よく頑張って、そこまで成長してくれましたね! 嬉しいですよ!」 と声がけをしました。

このとき、故トニーブザン 師匠の 思いを伝えられたかなと思いました。
学習は強要し 偏らせるのでなく、受講者の 思考を 働かせ想起を 促しながら進めること。
これからも、鍛錬したいと思います。

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マネジメントコンサルティング部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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