ヒューマンエラーを防止するには│ヒューマンエラー 分析の3つの視点
ヒューマンエラー を 防止 するには?
年の瀬が近づき、忙しい日々を送られている方が多いのではないでしょうか?
そんな中、当コラムをご覧頂きありがとうございます。
今年最後のコラムは「 ヒューマンエラー 」についてお話しします。
ヒューマンエラー の『 なぜなぜ分析 』はここから始める!
ヒューマンエラーとは?
『 本人の注意が散漫だったため、再教育を実施した。 』というマンネリ化した是正処置を改善できます。
1. ヒューマンエラー が 防止 できないのは・・・
問題を大きく大雑把に捉えた状態で問題解決に挑むと、思考が複雑になりがちです。
その結果、脳がエネルギーを費やしすぎ、思考の質が低下したり、思考そのものをやめてしまうことにも繋がりかねません。
問題原因を追及していたのにいつまでたっても是正処置が展開できない。
問題か解決を途中であきらめてしまう。
問題の原因を、人のせいにして終わらせてしまう。
そんな症状の時には「問題を大雑把に捉えすぎ。」を疑ってみてください。
『 ヒューマンエラー 』を 防止 するために、問題分析に挑む時には問題を細分化し、問題定義をしシンプルに捉えることが大切です。
最低でも3つに分けて問題を捉える必要があります。
2. ヒューマンエラー を分析するときの3つの視点
人は必ず間違いを起こします。
間違いをよく観察すると、3つのフェーズに別れます。
これは、認知 心理学 や脳科学から導き出された ヒューマンエラー の原理原則です。
認識状態で発生したミス
見にくい、操作しにくい、わかりにくいなど『にくい』状態があると、エラーが発生しやすくなります。
判断/決断で発生したミス
認識が正しかったのに、経験/訓練不足で発生しやすくなるエラーです。
行動段階で発生したミス
判断/決断は正しかったのに、経験/訓練不足で発生しやすくなるエラーです。
ヒューマンエラー について考える時には、この3つに分けて『 なぜなぜ分析 』に取り組む必要があります。
3. ヒューマンエラー の『 なぜなぜ分析 』はここから始める!
特に多いのが、認識状態で発生するミスです。
今回は、このフェーズに絞ってお話をすすめます。
認識エラーの『 なぜなぜ分析 』を進める場合、次のような「なぜ?」からスタートをするとシンプルに進めることができます。
見えていなかった → なぜ見にくかったのか? からスタートする。
操作ミスをした → なぜ操作がやりにくかったのか? からスタートする。
忘れていた → なぜ思い出せなかったのか? からスタートする。
ルールを守らなかった → なぜ守れないルール内容だったのか? からスタートする。
人の認識は目・耳・鼻・口・皮膚からの感覚・感情/心情から作りあげられるので、五感に訴えた分析をするとよいでしょう。
4. 分析の事例
ある組織で『 なぜなぜ分析 』のポイントを意識しながら進めたところ、問題に対する見方が変化したり、問題解決の思考が原理原則に基づいたものへと変化しました。その前後を比較すると『 なぜなぜ分析 』に挑むメンバー達の成長がわかります。
問題を大雑把に捉えた時
【現象】薬品を使用するとき、ゴーグルを装着せず、薬品投入時に薬品が目に入った。
【原因】ゴーグル装着のルールを守らなかった。
【対策】ゴーグル装着ルールを再教育し、水平展開のため他のメンバーにも行った。
【効果】ゴーグルを装着することを確認した。
【監視】三ヶ月後に再発した。
問題を細分化して捉えた時
【現象】薬品を使用するとき、ゴーグルを装着せず、薬品投入時に薬品が目に入った。
【原因】薬品調整までの時間が無かったためゴーグルの装着を怠った。
(薬品置き場とゴーグル置き場の距離が25メートル、往復で50メートル離れていた。)
装着しなかったのはなぜ?
→ 時間が無かった
→ 往復50メートルあった
→ 速やかに装着できない状態であった
⇒じゃ、近くに置きましょ。
【対策】薬品置き場に、衛生を確保したボックスを配備し、速やかにゴーグルを装着できるようにした。
【効果】往復約50秒かかっていたのが3秒に短縮し、焦りをなくすとともに、薬品とゴーグルが一目で認識できるようになった。
【監視】12ヶ月間、同様の現象が発生していない。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。