リーダーの力量が問われる、新人教育│安心感を与える接し方の3パターン
新入社員教育 – リーダーは責任重大!
新入社員の入社式を終え、2ヶ月が過ぎましたね。
右も左もわからず、基本研修を受けるシーンや即実践の世界に飛び込んだ若人は、期待と不安を抱きます。
そして、新入社員を受け入れた職場のリーダーは、基礎的な業務遂行能力を高めていくために、さまざまな訓練などの 新入社員教育 を責任を持って施さなければなりません。
これって、責任重大ですよね。
学生時代と社会人の違い
学生時代と社会人としての勉強方法は、明らかに違います。
例えば、生徒や学生には『豊かな人間性の形成』が求められますが、社会人ともなると『人材育成』『能力向上』という、学習の目的自体が変わります。
この違いに早く気付けば気付くほど、即戦力として、めきめきと腕を上げていきます。
ですが、学生時代の勉強方法を卒業しきれず、これまでと同じような方法を続けたままだと「点数さえ良ければいい」という思い込みで学習を続けてしまうため、必要な人材形成や知識/技能の会得に長い期間を費やしたり、中には一生「合格点主義」のまま、職場で過ごす新入社員も中には現れてきます。
上司であるあなたは、適度な距離をもって『社会人の学習』をしていけるよう支援をしなければなりません。
教育のしかたが学校とは違う
学校を卒業したばかりの新入社員は、いままで習った勉強方法に慣れてしまっています。
学生時代と社会人の勉強をそれぞれを比べると、様々な違いがあります。
学生と社会人の学習の比較 | 学生時代 | 社会人 |
---|---|---|
学習スタイル | 受け身 | 自主性 |
学習目的 | 人間形成 | 人財育成・力量訓練 |
学習テーマ | 決められたコンテンツ中心 | 問題・課題解決中心 |
動機付け | 周囲からモチベーションを高められる | 自らモチベーションを高める |
表を見ると、学生時代と社会人の学びは、多くの違いがあることがわかります。
この違いがあるため、社会人の学習スタイルで社内教育が行われると「戸惑い」や「不安」を感じたりと、学習に注ぐはずのモチベーションが不安にばかり費やされてしまうケースも少なくありません。
新入社員を受け入れて、教育を行う場合、
まずは「点数を取るための学習でなく、自分の能力を高めるための学習」
であることをシッカリと伝えてあげてください。
新入社員教育 での、良いフィードバック
新入社員が何かに気付いたり、何かを会得したときは、年下である彼ら/彼女らに対してでも、尊敬の念をもって接することです。
年下とはいえ「新人真っ最中」の彼ら/彼女らは、真剣一本勝負の最中なのです。
その真剣さ、真摯さには敬意をもって接すると良いでしょう。
悪いフィードバック
新入社員が何かに気付いたり、何かを会得したとき
「先輩達はそんなのできて当たり前。できていないあなたが劣っている。」
というような言動や態度をすることで、新入社員のモチベーションをいとも簡単に低下させることができるのです。
「そんなのできて当たり前だ!」
「こんなことさえ解らないの?」
これらの言葉は、新人にとっては結構ショックです。
「どこかできなかったのか、一緒に考えてみよう。」
「不安が残るとこだけでも、もう一回やってみようか。」
など、行動全体を否定するのでなく、できていなかった所にスポットライトを当てるようなフィードバックをしてあげてください。
前提として、全てができていないのでなく、できている部分もある、という意識を共に持ち続けることが大切です。年下である新入社員に対してでも、尊敬の念をもって接することです。
安心感を提供する
新人が配属され、最初にぶつかる課題が『職場の雰囲気』です。
新人達は、学生時代と新人研修中とは違った「職場文化・風土」に触れ、雰囲気さえも読み取れない状況で極度に緊張します。
そう、新人に対して『安心感』を抱かせる必要があるのです。
ここでいう『安心感』とは、研修全てのシーンにおいて緊張が緩和される状態をさします。
緊張した状態では、アドレナリンが脳内から放出され、筋肉の強張りや心拍数の上昇などが続き、メンタルヘルス的にみても良い状態とはいえません。
この状態では
職場の雰囲気になかなか慣れない。何かを教えても、記憶に定着しない。
教わったことに対して『やってみよう!』という気持ちになれない。
失敗を恐れてしまう。その他
これでは、いつまでたっても貴重な人材として成長を促すことが難しくなります。
この緊張をほぐすためには、オキシトシンを脳内で分泌させるような接し方や教え方をしなければなりません。
オキシトシンで信頼関係を高める
先日、約一年間続いたリーダー研修の修了式の決意表明で多くの研修生が
「部下が話しかけてくるようになった。」
と話してくださいました。
このリーダー研修は、毎月1~2日の頻度で行いましたが、その初期の段階で『オキシトシンマネジメント』について学習しました。
オキシトシンは『信頼ホルモン』といわれる脳内ホルモンで、これが分泌されることで私たちは相手への信頼を感じることができます。
『オキシトシンマネジメント』は、リーダーと部下の信頼を高めるために意図的にオキシトシンの分泌を促すマネジメントのことです。そのためにはリーダーとして部下に対する『接し方』を変える必要があります。
このマネジメントを実践することで
「部下や後輩が、今までより多く話しかけてくるようになったので、こちらもさらに話しかけやすくなった。」という成果を実感したそうです。
チョットしたリーダーの行動で雰囲気が変わる「オキシトシンマネジメント」とはどのようなものなのでしょうか?
安心感を与える接し方
信頼ホルモンである『オキシトシンマネジメント』は、新人にはもちろん、すでに配属されている部下にも効果を出すことのできる、カンタンなマネジメントです。
その一部をご紹介すると
相手の存在を認める挨拶
ー具体的には
「小林さん、おはよう。」というように、相手の名前を言いながら挨拶する。
心理的安全性の確保
ー具体的には
新人や部下の話しに耳を傾けるときには、相づちなどをうち「あなたの話しを聞いていますよ。」とメッセージを送り続ける。
行動承認
ー具体的には
成果を認めるより、成果を出すためにとった行動をを認め、フィードバックを与える。
特に配属したての新入社員には、この3つを行ってみてください。
なんだかんだ言っても、コストですから。
新人の成長過程は レベル 0~6までの段階を駆け上ります。
レベル0 何もできないし、知らない
レベル1 指導を受けながら、できるようになる
レベル2 アドバイスを受けながら、1人でできる
レベル3 1人でできる
レベル4 その内容について、改善などができる
レベル5 他人に教えられる
レベル6 新しい手法などを開発できる
そして、リーダーにできることは、1日も早くレベル3に到達できるよう、支援を繰り返すことです。
教育コストという面でみても、早くレベル3に到達させなければなりません。
お互いの信頼関係を気付きながら、効率的かつ効果的なトレーニングを実施してみてください。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。