なぜ?『なぜなぜ分析』が上手くいかない4つの要因│真因に辿り着くためのポイント3つ
これまでは『なぜなぜ分析』の前段取り部分を中心にお話ししてきました。
「なぜなぜ分析」を実施する前段取りがなぜ必要かというと、多くの組織において、『なぜなぜ分析』を行うための前段取り部分に原因があるからです。
オンライン体験セミナーも開催しております。ぜひご参加ください。
「なぜを5回繰り返せ」が上手くいかない理由はこれだ! 【なぜなぜ分析12カ条】体験セミナー
「なぜなぜ分析」 を円滑に進めるためには?
『なぜなぜ分析』を円滑に進めるためには、以下の3つがポイントとなります。
- 前段取り(問題検出や問題定義)
- ノウハウの駆使(なぜなぜ分析12のルール)
- メンタルモデル(問題に対する見方・感じ方)
これらは、問題解決の良し悪しを決める要因ともなります。
『なぜ』を5回繰り返すだけでは真因は見つからない?
今回は問題解決とメンタルモデルについてお話しします。
思考術と心理学の異なる要素を組み合わせたものですが、スマートな問題解決をすすめるヒントをお伝えします。
正直に告白すると、私坂田自身も「なぜなぜ分析」に深い悩みを抱えた時代がありました。
上司に「おい、こんなの『なぜなぜ分析』で簡単に解決できるだろう!『なぜ』を5回繰り返せば真因は見つかるもんだ!」
と言われて、私坂田はそれを素直に信じてしまいました。
実際に「『なぜなぜ分析』を試みても、なぜを5回繰り返しても真因に到達しない、5回繰り返してもうまくいかない、ということが頻繁に発生しました。
若かりし頃の私は「なぜ?なぜなぜ分析が上手くいかないのか?」について悩み続けていました。
同じようなお悩みを抱えている方も、少なくないようです。
どこまで「なぜなぜ」を繰り返せばいいのだろう?
なぜ5回繰り返すと真因に到達できるのでしょうか?
いつもと同じような原因と対策しかでてこないのはなぜ?
『チェック項目を増やし、再発を防止する』ばかりが出てくるのはなぜでしょうか?
こんな状態が続き、いつまでも悩みは解決しませんでした。こういう状態が長く続いてしまうと、組織全体の”劣化”が起きるのではと心配が増すばかりでした。
「なぜなぜ分析」 が上手くいかない4つの要因
今になって修行時代を振り返って、『なぜ』を5回繰り返しただけでは真因に辿り着かなかった原因は何か?と考えると、以下の4つの要因がありました。
ミスが発生した原因を過去の経験と知識から引き出し、隠れた真因を見ようとしない。
過去の経験や知識を駆使し短時間で解決策を打ち出す人が賞賛される風土・文化に多いパターン。
作業ミスが発生した由来や根拠を調べず、再発防止を目的とした分析をしていない。
問題検出/定義力や思考力訓練を行っていない風土文化に多いパターン。
的を射ない対策でミスが繰り返される。
ミスの由来や根拠を解りやすく言葉や文字で表せず周囲に伝えられないパターン。
問題解決に沿ったコミュニケーションが交わされない風土文化に多いパターン。
対策をしても、由来や根拠を周知できないために継続しない。
ひらめきや不具合が疑われる要素のつながりを考えない文化風土に多いパターン。
「なぜなぜ分析」 で真の問題解決を行うには、日頃のメンタルモデルの訓練が必要
なぜなぜ分析は下図のようになぜを繰り返すことによって、問題の真因を発見し改善策をだすシンプルな思考方法です。
しかし、シンプルな故に日頃からの物事の考え方・見方(メンタルモデル)を育成しておかないと、上手く使いこなすことができません。
これほどシンプルで分かりやすい問題解決思考法は、他にはありません。
だからといって、簡単な心構えで ”なぜなぜ思考法” に挑むと、必ず失敗します。
日頃からメンタルモデルの訓練を行い、『なぜなぜ分析』の失敗を回避するには、日常行っている報連相や、対話において「問題解決力」以外のスキルを育てることが近道です。
問題解決力以外のスキル向上も教育訓練計画に組み込み、展開してみてはいかがでしょうか。
以下の図は、問題解決力(なぜなぜ分析など)以外にも伸ばしたい教育訓練要素です。
さらに
なぜなぜ分析をファシリテート(円滑に進める)させる ために
問題解決力の高い人材を育成する ために
問題解決量の高い組織を醸成する ために
ご参考頂けると幸いです。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。