なぜなぜ分析 が失敗する3つの理由│問題解決力が高い組織をつくるには
なぜなぜ分析 が失敗する3つの理由
「 なぜなぜ分析 」をやらせてみたけど、 的を得た原因にたどり着かない ・・・・・
分析後の報告書に書かれている原因をみても
「 ぼーっとしていたから見逃した。 」
「 教えたけど実行しなかった。 」
「 ルールを確認していなかった。 」などが挙げられていたり、
対策も「 再教育して、 教育訓練に記録した。 」など本当に再発防止ができるのか?
と不安が拭えないケースが少なくないのでは?
とはいえ、 時間も工数も限られているし、 分析結果を承認せざる得ない。
実はこんな悩みを持った工場長や事業所長が多いのです。
「 なぜなぜ分析 」で問題解決できる!?
・顧客から『 なぜなぜ分析をやってください。 』
・上層部からも『 なぜを 5 回繰り返せ!! 』
・ISO審査員から 『 原因追及があまい。 』 と指摘を受けた。
「なぜなぜ分析」は本当に効果のある問題解決ツールなのでしょうか?
今回は「 なぜなぜ分析を使うその前に! 」についてお話します。
「 なぜ? 」かうまくいかない「 なぜなぜ分析 」
様々な業種での分析結果をみると 3 つの「 不備 」があるコトがわかりました。
・1 つ目は問題解決に必要な情報収集の仕組みができていない。
・2 つ目はそもそも問題に気付いていない、問題を検出できていない。
・3 つ目は問題定義が曖昧。
『 なぜなぜ分析 』をどんなに社内で教育しても、 前提となる基礎知識 ・ 意識が育まれていないと分析ツールを使いこなせないのです。
それでは、 なぜこの 3 つが大切なのでしょうか?
① 情報収集の仕組みができていない
問題が発生した時、 日頃からのコミュニケーションが円滑にできていないと、 大切な情報が集まらず、 問題構成要素を取りこぼしてしまいます。
この取りこぼしに気付くことができないと、 過去の経験と知識で問題解決に挑むようになり、 今までと同じような原因と対策しかとることができません。
問題解決はまさに情報戦です。
もっとも効率よく情報を集めるためには、 日頃から 「 情報戦略 」 を立てることであり、 意識すべきことは 「 報連相のしやすい職場環境をつくる 」 ことです。
問題が発生したときだけ 「 シッカリ情報をやりとりしよう! 」 と号令をかけても真の問題解決はムリなのです。
② 問題に気付いていない ・ 検出できていない
過去に発生した問題と 「 いま! 」 発生している問題には、 何かしらの違いがあるはずです。
例えば 「 製品に傷がついている。 」 という不具合が発生しても、 その傷が以前に発生したものと100%同じ保証はないのです。
傷の長さ ・ 深さ ・ エッジ ・ 断面形状 ・ 位置 など、 微妙に違っているものです。
なのに 「 過去に発生した問題と同じ方法で解決を図る。 」 というのは問題解決がファシリテートしません。
また、 問題そのものに気付いていないケースも少なくありません。
問題構成要素とその因果関係をしっかりと捉えなくてはなりません。
③ 問題定義が曖昧
製品に傷がついたケースで考えてみます。
製品に傷がつくのは、 製品の表面よりも硬いものが接触するからです。
製品よりも柔らかいものが接触しても傷はつきませんよね。
「 Aが起きなければBは起きない。 」「 Aが起きる時に必要な条件はなにか? 」という思考方法を「 原理原則アプローチ 」といいます。
このアプローチがシッカリできていると、問題解決がスムーズに進むのですが、
これができていないがために
・いつまでたっても解決しない。
・話がまとまらない。
といったことが起きてしまうのです。
チームで問題解決に挑む場合、 問題を「 原理原則 」で考えることで問題構成要素の漏れを少なくでき、みなが同じ方向を見て問題解決が進められるようになるのです。
問題解決力が高い組織をつくるには・・・
問題解決力が高い組織をつくるには、日頃からの『 問題検出力 』『 問題定義力 』『 分析力 ( 原理原則思考力 ) 』を育てておく必要があります。
問題解決リーダー育成するためのインハウス研修では、『 問題検出力 』『 問題定義力 』の育成に78%の時間を費やします。
問題解決『 分析力(原理原則思考力) 』に費やす時間はたったの22%なのです。
なぜなぜ分析は、なぜ? という問いを繰り返し、 根本的原因と改善策を導くには最高の分析法であり思考法です。
しかし、 なぜなぜ分析を使いこなすためには、『 問題検出力 』『 問題定義力 』が必要なのです。
今回のコラムが、 教育訓練計画立案や見直しにお役に立てるといいなと思っています。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。