新入社員の協力と協調性を高める「同期行動」の効果とリーダーができるサポート
春は新入社員デビューの季節
春は「新しい出会いの季節」と言われるように、新入社員が社会人としてスタートを切る時期でもあります。
新しい環境で不安と期待を抱えた彼らが、一日でも早く職場に慣れ、チームの一員として活躍できるよう、リーダーとして彼らをサポートすることが求められます。
特に、「協力」と「協調性」の育成は、チームのパフォーマンス向上に欠かせません。今回は、職場で実践できる協力と協調を高める「ルーティーン」についてご紹介します。
協力と協調性を育むための「同期行動」とは?
リーダーが新入社員に対して「協力」と「協調性」を教えようとする時、言葉だけではなく、具体的な体験を通じたアプローチが効果的です。
その方法として注目されているのが、「同期行動」という手法です。
同期行動とは、全員が同じタイミングで同じ動作を行うことで、チームとしての一体感を深める行動です。
これは、スポーツチームが試合前にエクササイズを行うことや、オフィスでの朝のラジオ体操などに代表されます。
同期行動のメリットは、ただ一緒に体を動かすだけでなく、自然と協力的な態度や信頼関係を構築できる点です。この行動を取り入れることで、チーム全体の絆が深まり、チームワークが高まることが期待できます。
心理学が証明する「同期行動」の効果
同期行動の効果は、心理学の研究でも証明されています。
例えば、ある実験では、ラジオ体操のように「全員で同じ動作を行う」チームと、そうでないチームの作業効率を比較しました。
その結果、同期行動を行ったチームの方が、作業に対する意欲や協力意識が高まり、全体のパフォーマンスが向上したことが確認されています。
この効果の背後には、【オキシトシン】という脳内ホルモンの作用が関係しています。
オキシトシンは「信頼ホルモン」とも呼ばれ、信頼感や協調性を促進し、チーム内の結束力を強める働きがあるとされています。
全員で同じ行動を行うことで、このホルモンが活性化し、チーム内の信頼感が高まるのです。
同期行動と「笑顔」の相乗効果
同期行動には「笑顔」を加えることで、さらに協調性が高まることがわかっています。一般的に、人は社会的な地位が高くなるほど、人前で笑う機会が減少する傾向にあります。しかし、リーダーこそが率先して笑顔を見せることで、チーム全体の雰囲気が和らぎ、信頼関係が深まります。
私が過去に参加した10日間の集中トレーニングでは、毎日セッションの合間にビートの効いた音楽で全員がダンスを踊るというルーティーンが取り入れられていました。最初は戸惑いましたが、周囲の笑顔やポジティブな雰囲気に包まれて自然とリラックスし、モチベーションが上がるのを感じました。チームの中で笑顔が増えると、全体のムードも向上し、信頼関係がより強固になるのです。
新入社員が馴染みやすい職場作りのために
新入社員にとって、協力や協調の意識を持つことは、職場での成長や周囲との関係性を築く上で非常に重要です。リーダーは、この同期行動を活用して、彼らに職場の文化やチームの一員であるという意識を浸透させる手助けを行うことが大切です。
例えば、以下のような場面で同期行動を取り入れると、チーム全体の結束が強まります。
- 朝礼でのラジオ体操:全員が同じ動作をすることで、新入社員がリラックスしやすくなります。
- 休憩時間の簡単なストレッチ:少し体を動かし、リフレッシュできる時間を共有することで、リラックスした雰囲気が生まれます。
- 軽いジョギングや散歩のイベント:健康増進とともに、協調性が自然と生まれます。
同期行動で生まれる新たな信頼関係
同期行動を繰り返すことで、チームの絆がより深まり、新入社員も職場に馴染みやすくなります。また、リーダーが自ら率先して同期行動に参加し、笑顔で接することで、チーム全体がリラックスし、信頼関係が構築されます。
新入社員も、リーダーが楽しそうに参加している様子を見ることで、チーム内での信頼感を感じることができるでしょう。リーダーが楽しそうに参加することは、職場の雰囲気にポジティブな影響を与え、協力し合う姿勢がより一層促進されます。
今日から始める「同期行動」と笑顔の実践
新入社員の協力と協調性を高めるためには、リーダー自身がまず動き出し、職場での同期行動を取り入れてみましょう。そして、笑顔を絶やさないことを心がけてください。職場における小さな工夫が、チームのパフォーマンス向上や信頼関係の強化に大きな影響を与えるはずです。
新しい仲間が一日でも早く職場に馴染み、チームの一員として活躍できるよう、リーダーとしての支援を惜しまず、協力と協調の土台作りに取り組んでみましょう。
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。