ISO規格(スタンダード)&法令・ガイドライン(コンプライアンス)関連

FSSC22000

1,FSSC22000 Version 6 認証コンサルティング

FSSC22000は、GFSI(Global Food Safety Initiative)が認める食品安全スキームの1つで、国内で最も多くの組織が導入しているFSMSの仕組みです。

 FSSC22000は、①ISO22000、②ISO/TS22002シリーズ規格、③追加要求事項 で構成されており、従来のHACCPやISO22000では十分でなかった要素(フードチェーン別の具体的なPRPや食品防御・食品偽装予防といった悪意ある攻撃に対する仕組み)が加味され、食品企業が取り組むべき事項がすべて網羅されています。 

そして、2023年4月にFSSC22000 Version 6が発行されました。FSSC22000 Version 6については、移行期間として1年間を予定されていますので、2024年4月以降に実施される定期維持審査、もしくは更新審査までにFSSC22000 Version 6に対応しなければいけません。

認証企業は、FSSC22000 Version 6に対応するために、追加・変更された要求事項を考慮して、既存の食品安全マネジメントシステムの見直しが必要となります。そして、2024年に実施される定期維持審査や更新審査のタイミングで、FSSC22000 Version 6の審査を受けることになります。

FSSC22000 Version 6の主な追加・変更のポイント

  1. 追加要求事項の項目が、15項目から18項目に追加された。
  2. 2.5.8食品安全及び品質文化、2.5.9品質管理、2.5.15機器管理、2.5.16食品ロス及び廃棄物、2.5.17コミュニケーション要求事項が、新たな追加要求事項の項目として設定された。
  3. 2.5.1項、2.5.2項、2.5.3項、2.5.4項、2.5.6項、2.5.7項、2.5.10項、2.5.11項、2.5.13項については、要求事項が追加され、Ver.5.1で策定された内容が一部修正された。
  4. 2.5.5項、2.5.18項については、一部内容が修正された。

当社では、規格改定に関するサービスを提供していますが、 
貴社のご要望により、カスタマイズしたサービスを提供することも可能です。
 詳しくは下記をご参照ください。

2,「積極的な食品安全文化・品質文化」について

FSSC追加要求事項では、「積極的な食品安全文化・品質文化の育成」についてコミットメントすることが求められています。また、このコミットメントをマネジメントシステムと関連付けて次のことを展開することが求められます。

  • 上級管理者の責任として
  • 食品安全文化の目標設定
  • 食品安全文化の実施
  • 食品安全文化の維持

ところで、食品安全文化とは?そして、品質文化とは何をさすのでしょうか?
組織が直面する問題や課題に対して、その内容に応じてふさわしい「意識」を最優先で向けたり、「行動」を最優先で実行しなければなりません。
組織文化は、このような組織や個人の考えや行動のまとまりです。

つまり、より良く醸成された文化であれば、「意識」や「行動」も、あるべき姿へと優先的に成長していくことでしょう。
逆に、文化が未成熟の場合、「意識」や「行動」が、あるべき姿に向かわず、成果に結びついていかないことになります。

今回の要求事項では、「より良い文化の醸成を目指す」ための組織的活動が試されるわけです。
文化の醸成には、次の事項が最低限求められています。

  • コミュニケーション
  • トレーニング
  • 従業員のフィードバック及びエンゲージメント
  • 食品安全及び品質に影響を与える組織の全セクションを対象とした、定義された活動のパフォーマンス測定

上記内容を含む計画を立案しなければなりません。

食品安全文化と品質文化について対話すること

これら要求事項に対応するためには、まずはじめに「自社の食品安全文化と品質文化とはなにか?」について、上級管理者や関連部署/チームの責任者が集まり、定義づけすることが大切です。

この定義づけには、管理職の意識を把握し(iWAM診断*)、食品安全や品質に対する意識の傾向を捉え、食品安全文化のあるべき姿を描くプロセスを経ることが必要です。このプロセスには、企業文化醸成の専門家を招き、ファシリテーターとして参加をしてもらうと、効率的にまとめることが出来るでしょう。

弊社では、専門のファシリテーターを派遣し、目的に沿った話し合いを支援することができます。 

 *iWAM診断とは:個人の意識や行動パターンを測定し、数値化する診断です。
診断結果を用いて、組織の文化を把握することができます。
数値化が可能なため、文化の変化や醸成の達成度など、モニタリングが容易になります

円滑なコミュニケーション

コミュニケーションとは、一方的な情報の伝達でなく、情報の相互交換を指します。また、コミュニケーションには、「話しやすい雰囲気」が求められます。この雰囲気が組織やチームの中に形成されていないと、情報の相互交換が成り立たなくなり、文化の醸成に影響を及ぼします。

定期的に、管理職やリーダーが、専門家からコーチングを受け、コミュニケーション能力の向上や心理的安全性を高める雰囲気作りを円滑に行えるよう育成すると良いでしょう。

弊社では、リーダーシップ教育の専門家を派遣し、目的に沿ったトレーニングを展開いたします。

 トレーニング

どんなに食品安全方針や品質方針を伝えても、それを基にした行動が伴わなければ、マネジメントシステムは崩壊します。「方針は知っているけど、いざ行動しようとすると動けない。」といった、ことはよくあることです。
「知っていること」を具体的な「行動」に移すには、モチベーションの高揚が必要です。組織やチーム内に、納得のいく説明・説得を展開し、信頼関係の構築こそがモチベーションを高める方法です。また、モチベーションには、組織やチーム内の「モラルとモラール」も、影響しています。

モチベーションと行動力を高めるトレーニングは、「人的資本経営」の基本でもあります。
弊社では、食品安全や品質文化に影響する、人財育成のご支援をいたします。

 従業員のフィードバック

マネジメントシステムは、そのシステムに参画する「人財」によって支えられています。この参画する「人財」が何を考え?何を想い?どのような未来を描きたいのか?これらを把握することは、食品安全文化や品質文化の醸成に欠かせない情報です。定期的に(半年毎、最低でも年毎)に、全ての「人財」に、1on1ミーティングに参加をしてもらい、「考え・想い・希望」を把握することなどが必要になるでしょう。

この時大切なことは、真摯に「人財」の話しに耳を傾ける、リーダーの「聴く姿勢」です。
弊社では、リーダー向けの傾聴トレーニングや集まった情報の傾向分析など、ご支援いたします。

 従業員のエンゲージメント

エンゲージメントは、「従業員の組織や仕事に対しての愛着心」をさします。これらが、高まる事で「あるべき意識と行動」へと促すことができます。具体的には、「人財」個人のポジティブ思考や、組織で展開される支援の関係性からエンゲージメントを高めることができます。

弊社では、「人財」のポジティブ思考を醸成したり、これに関わる支援方法についてご支援いたします。

食品安全及び品質に影響を与える組織の全セクションを対象とした、 定義された活動のパフォーマンス測定

【iWAM診断】を実施することにより、食品安全・品質文化の目標を設定し、活動のパフォーマンスを測定することが可能です。iWAM診断の効果

具体的には、レポートを分析することにより、食品安全や品質文化の特徴を要素別に数値化します。この数値を用いて、個人やチームの強み・弱みを把握することができ、文化の醸成に好影響を及ぼす活動を明確にすることができます。


iWAM診断の進め方iWAM診断の進め方


iWAM診断とは:
個人の意識や行動パターンを測定し、数値化する診断です。診断結果を用いて、組織の文化を把握することができます。数値化が可能なため、文化の変化や醸成の達成度など、モニタリングが容易になります。



3,サービスメニュー

構築~運用のすべてのフェーズにおいて、貴社のニーズに合わせたきめ細かなコンサルティングで「食の安全」をサポートします。マネジメントシステムの導入はもちろん、その後の維持管理やレベルアップ、業務改善支援など、幅広いコンサルティング・サービスをご用意しております。

マネジメントシステム導入支援においては、取り組みの各段階を3つのフェーズ(準備・構築フェーズ→運用フェーズ→審査フェーズ)に分け、審査登録まできめ細かなご支援を提供します。また、認証取得後も継続して運用を続けられる組織の仕組み作りをサポートします。コンサルティングの進め方■食品安全マネジメントシステムの見直し業務

FSSC22000 Ver.5.1の追加要求事項に対応した食品安全マネジメントシステムの内容をFSSC22000 Version 6の追加要求事項に基づき見直しし、修正点や追加事項について、指導いたします。
また、移行審査までに、どのような活動や、どのような人材を育成するか、およびスケジュールについても、ご提案いたします。新たに追加された要求事項と、追加された要求内容を重点的に確認いたします。

■文書化支援業務

2.5.8食品安全及び品質文化、2.5.9品質管理、2.5.15機器管理、2.5.16食品ロス及び廃棄物、2.5.17コミュニケーション要求事項に基づき、新たに整備された文書を含め、貴社にて作成された既存の文書を、FSSC22000 Version 6の追加要求事項に基づきレビューし、修正方法などを指導いたします。

■内部監査員差分研修

既存の内部監査員に対し、FSSC22000 Version 6の追加要求事項について解説し、FSSC22000 Ver.5.1の追加要求事項との違いを含め、FSSC22000 Version 6の追加要求事項の理解を深めていただきます。研修終了後には、受講者に修了証を発行いたします。

■システム運用状況の確認

FSSC22000 Version 6の追加要求事項に基づく食品安全マネジメントシステムの運用状況を弊社にて検証し、発見された不具合点の改善指導を実施いたします。

■模擬審査

再構築された食品安全マネジメントシステム運用状況を審査形式で確認します。また、確認された課題への対応方法についてアドバイスを行います。

■食品安全品質文化

文化は組織の人の意識や行動の集合体から成り立ちます。適切な意識や行動を促すためには、良好なコミュニケーションが効果的です。文化醸成のために、コーチングを含めたトレーニングを行います。

  • 食品安全/品質文化の定義又は見直し
  • ワークエンゲージメント及び心理的安全性調査
  • 管理職意識と行動特性調査(iWAM診断*)
  • 管理職/リーダーへのコーチング
  • リーダーズコミュニケーショントレーニング
  • モラルモラール訓練

*iWAM診断とは:個人の意識や行動パターンを測定し、数値化する診断です。診断結果を用いて、組織の文化を把握することができます。数値化が可能なため、文化の変化や、醸成の達成度など、モニタリングが容易になります。

4,関連するサービス

 内部監査員レベルアップ   フードディフェンス・フードディフェンス診断
食品安全マネジメント 品質マネジメント 意識を高める(人アプローチ) コミュニケーション
フードディフェンス

YouTube「改善ファシリテーション研究所」もご覧ください


フードディフェンスの心理学【セミナーのご案内】

フードディフェンスの基礎を見なおすことで脆弱性に気付くことができたが、それ以上に部下や後輩たちとのコミュニケーションの大切さ、コミュニケーション文化の見直しが大切だと実感した。もっと、早くこのセミナーを受けるべきだった。(A食品工場長)コミュニケーションは、しっかりやっているつもりだったが、レジリエンスや衝動抑制...

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5,当社の特徴とコンテンツ開発の経緯

当社の特徴

心理的アプローチを駆使した3本柱の支援

株式会社ナレッジリーンでは「ヒューマンリソースモデル」・「改善モデル」・「ビジネスモデル」の3種類のモデルを駆使したコンサルティング・研修を提供しております。

いずれのモデルもお客様とのコミュニケーションをとる中で生まれたサービスであり、現場に出向きFace to faceで行います。

コンテンツ開発の経緯

ISO規格をベースに、マネジメントシステムの導入支援実績を数多く手がけてまいりました。
その経験から得られた数多くの事例やノウハウを基に、「潜在的リスクの示唆」「改善提案・ベストプラクティスの提供」等が可能です。

また、3コンテンツをベースとしたご支援として、現場のリーダー育成を数多く手がけ、問題に気づき改善を促す育成を行なっております。
リーダーとして身につけるべき高い視座と広い視野を持ちつつ、メンバーをやる気にさせることのできるリーダーの育成は会社の事業継続と成長において、最も重要なテーマと言えます。

育成支援はコンサルタントの現場経験と論理的なコンテンツを組み合わせて提供されるため、実務により近い形での理解を可能にします。

コンサルタントのご紹介

酒徳 泰行さん
マネジメントコンサルティング1部 部長
酒徳 泰行

「組織の数だけシステム・解決策は存在する」という信念のもと、各社の状況に応じたオーダーメイドの支援・研修を得意とする。また、①マネジメントシステム、②新5S思考術、③NLP(神経言語プログラミング)を基礎とする心理学・コミュニケーションを 融合した「改善ファシリテーション」の考え方を取り入れた手法・事例なども人気。その研修は単なる仕組みの構築・改善ではなく、 わかりやすさ、すぐに実践できると定評がある。常に目的・理由を考え、主体的に活動できる組織文化を醸成することに注力し、「人と組織」の成長を通じてお客様と共に笑 顔と感動を分かち合うことを大切にする。

川畑 省悟さん
マネジメントコンサルティング1部
川畑 省悟

経験、知識、情報をベースにお客様がより良い意思決定ができるようなプロセス・コンサルティングを得意とする。2002年にISOのコンサルティング業界に入り、マネジメントシステムの認証取得支援を中心に活動。2014年以降は業務改善支援、人材育成・コミュニケーション支援を中心に活動。業務改善支援では、「お客さまの要望に沿った成果水準がなにか」 を徹底的に話し合い、合理化策・改善策を提示したコンサルティングを行う。人材育成・コミュニケーショ ン支援では、対話を通じた信頼関係の構築支援を得意とする。

中村 博史さん
マネジメントコンサルティング1部 エグゼクティブコンサルタント
中村 博史

暖房機器の設計開発の担当後、電気・電子機器の試験業務の担当し、1991年以降は、ISOマネジメントシステム規格などのコンサルティング業務(食品、金属部品、機械装置、電気・電子機器、医療機器、建設、試験所・校正機関、医療機関など300社以上)、研修業務(受講者数は延べ20,000名以上)、監査業務に従事。前職での知識・経験から金属、機械、電気・電子を専門とするが、ISOマネジメントシステムに関する業務の30年以上の経験に基づき、幅広い産業分野の組織への支援を実施豊富な経験による事例説明が、わかりやすいと好評。

坂田 和則さん
マネジメントコンサルティング2部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、2023年度現在、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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